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ウツワ/Visual Merchandising
2024.2.6

VMDを勉強したい!VMDを目指したい!という人向けの基礎講座 vol,3〜店舗視察で勉強!VMD視点で見る学ぶべき店舗の10項目〜

こんにちは。行動学に基づくロジックと、心理学に基づくエモーションの2軸で売れるVMDを実践するVMDディレクターのサイトウです。

第3回目のVMD勉強は僕がいつもいう「VMDうまくなりたいならたくさんの店舗を見て学ぶべき」を実践いただく際にこの10項目をクリアーしている店舗が売れる店舗。と、いう10の視点をお伝えします。

もちろんこれ以外にも掃除してないけどやたらディスプレイは上手いな・・・などもありますが、基本的にそんな店は売れてないです。

そのディスプレイは覚えておいて自分のテクニックの引き出しに入れておくのOKですが、全体のバランスとしてこの10項目をクリアーしている店舗に学ぶべきという基本だと捉えていただくと良いかと思います。

目次

POINT-1:「やすい」が多いか?

このほかの回でもお伝えしているものですが良いVMDというのは「やすい」が多いです。

入りやすい、見やすい。選びやすい、手に取りやすいなどなど・・・このようにやすいを増やすことで入店客の増加や比較検討による購入率UP、滞在時間の延長によるセット率向上などさまざまな効果があります。

まずは実際に自分が入り口に立ち入りやすい広さが確保されているか?店舗のINDEXとなるPPがわかりやすい場所、内容で構成されておりどこになにがあるかわかりやすいか?などなど体感してみてください。

そして、その「やすさ」は何対して「やすい」のか?どのような効果があるのか?を考えて良い部分を抽出し、自店舗に落とし込んで際にどのように変化つけて最適化するのか?もしくはそのまま流用できるのか?などを検討し、記憶していきます。

この繰り返しとストックする「やすさ」の数が自分のスキルの数と質を向上させてくれますのでたくさんの店舗を業種問わずに見るようにしてください。

POINT-2:クリンリネス

店舗VMD業務の中に店頭の維持・管理が含まれています。

VMDとして店頭を編集するだけで終わらずにその後のディスプレイや陳列をもっとも気にして維持し、その他スタッフにも維持するように指摘していくのが仕事の一部でその中で特にこまめに、丁寧に、細部までおこなっていただきたいのがクリンリネスです。

カッコつけましたがいわゆる「掃除」ですね。

この「掃除」は決まった時間(館によって音楽で知らせる)におこなうものと忙しいタイミングのあとは埃が立ち、上に溜まりやすくなっていたり、ガラスのケースが指紋で汚れていたりと入店が増えれば増えるほど店舗は汚れていきます。

なので、定時までまたずに常に意識をし、店頭の綺麗さをキープしましょう。

先ほどのやすいの多い店になるほど店舗は賑わい汚れます。それをそのままにしておくとせっかくの入店も「入りやすかったけどいざ入るとなんかちょっと・・・」とマイナスイメージを植え付けます。

忙しいけど綺麗にを実践している店舗は閑散時間帯も店舗に動きが出て人が入りやすくなりといった好循環の要因にもなっています。

POINT-3:価値を上げるフェイシング

商品の魅力を上げるディスプレイ、買いやすくわかりやすくするレイアウト、手に取りやすくする陳列と、いったようにそれぞれの目的効果を持ってVMDは実践されています。

その中で価値(ここでいう価値は高いものはより高級に、安くいても良いものに見えるといった感じの価値)を上げるものが「フェイシング」です。

あまり聞きなれない言葉かも知れませんがレイアウト、陳列、ディスプレイが終了後の最後の仕上げとして綺麗に整えるのがこの「フェイシング」です。

具体的に言えば、ハンギングした商品の首元はズレていないか?マネキン着せつけのボトムの中心線はズレていないか?陳列した商品のタグは乱れていないか?などの確認と整頓をさしています。

この行為により商品の価値が向上するのはみなさん想像できると思うのですが、安いからといって乱雑に置かれていたりすればせっかく安くて良い商品も値段相応もしくはそれ以下の「こんなもんよね」という価値になってしまいせっかく買いやすく、わかりやすいようにレイアウトや陳列しても足を引っ張ります。

そうならないように最後仕上げとしてフェイシングをしっかりと行いましょう。

神は細部に宿る。ではないですがその細部が商品の価値を高めます。

POINT-4:わくわくするか?(させられるか?)

VMDの科学的根拠に基づいて実践されるロジックの部分と、感情に訴えかけるエモーションと二つが合わさってVMDとなると弊社では提唱していますが、そのエモーション=感情の起伏をおこせているか?というのがこのわくわくしているか?させているか?とPOINTです。

なぜ、している、させているなのかと言えばVMD本人や店舗のスタッフ自身も自店のVMDでわくわくしたり、めっちゃかわいい!などの感情の起伏がなければVMDは力を発揮しません。

いくらやすいを増やし、行動学に基づいて導線設計や陳列の種類や高さを調整しても「なにも心に響かない」ディスプレイやコーディネートでは商品は魅力的には見えませんよね?

つまりはそういうことです。

ロジックだけでなくしっかりと感情に訴えかけるVMDができているか?が重要です。

これができている店舗は入りたくなるし、目的以外の商品もついつい買ってしまう店舗になれます。

POINT-5:勝負の3秒

路面店とインショップでは少し状況が変わりますが(サインや看板の有無など)基本的に入店するかしないかの判断は3〜5秒程度と言われています。

この短期間に自分たちの店舗に気づいてもらい、さらに興味関心を惹き、入店まで決断してもらうのはかなりハードルの高いことです。

人の歩くスピードは持続4kmほどと言われおり、分速では約66mとなり、秒速では1.1mとなります。

と、いうことは自店舗の間口を考えていただくとわかりやすいですがインショップではモール以外の施設ではほぼ3秒程度あれば通り過ぎてしまいます。

その3秒の連続で入る入らないの判断を繰り返しながらお買い物をされていることを考えると入店を促す仕掛けが非常に重要となってきます。

ただVPを綺麗に整えるだけではなく、香りや音楽、POPにプロップスなどの5感すべてに訴えかける仕掛けにて気づいてもらい入店してもらえるように考えて仕掛けましょう。

自分が入りたくなった理由は視覚からなのか?聴覚なのか?嗅覚か?その感覚で受けた何が良くて入店にいたったのか?を分析して仕掛ける幅を広げ少ない時間の中で選ばれる店舗を目指しましょう。

POINT-6:一瞬の切り取り

お客様はいつ来店されるかわかりません。こちらが納品を捌くのに忙しい時であろうと事務も接客もなく暇な時であろうと来て欲しい時間帯、来てくれるのはうれしけど今はちょっと・・・といったことは一部の顧客を除いてコントロールができません。

そのため、忙しかったあとの散乱した店舗に初めて来たお客様は「客いないのに店散らかってる。一人はカウンターで何かしてるし、この店綺麗にする気ないのかな?」といった気持ちになられることも。

こればかりは不幸なすれ違いとしかいいようがないのですがそのお客様にとってはその一瞬がすべてであると知っておなければなりません。

このようにいつどの瞬間で切り取られるかによって店舗の印象が変わるといった状態をできるだけ回避するためには店舗スタッフ全員で店頭のVMDを維持することです。

試着用にマネキンから服を脱がした場合は接客に入っていないスタッフが代替え品をすぐに着せたり、コーディネート提案に使った商品で使用しなくなったものは速やかに整理して避けたり戻すなどのように一人では難しくても店舗としてフォローしあえば可能なことも出てきます。

自分が店舗を勉強のために巡回していてこのようなフォローの姿を見れば「チームワークの良い感じのお店」として忙しくても多少乱れていても感じるでしょう。

入店の判断と同じく店舗の印象も一瞬で1回ですのでどの瞬間でも良い感じのお店を手本にしてフォローの流れなどを学びましょう。

POINT-7:想像できるか?

売り場にはストーリーが必要です。

ただなんとなくかっこいいので、可愛いのでといった理由もですが、いつ・どこで・だれと・何のために、などがイメージできる店舗のVPやPPはわかりやすくニーズ対応に対しての訴求も強く入店のきっかけとなります。

例えば撥水加工のコートであればその機能がわかるように、ショートレングスのアウターであれば、車の運転に向いていたり、綺麗めドレスでディナーなどいつ着ればよいか?どんな使い方をすればよいか?などがわかりやすいほどそれを着た自分が想像できて「買ったはいいけど使っていない」のような状況にならず使っていただけるのでリピートにも繋がります。

店舗視察をしながらこれを自分が着たら?というその姿が想像しやすいディスプレイを手本にコーディネートの幅が広がるように見てまわりましょう。

POINT-8:つながる導線

導線とは店内のお客様、スタッフが通る通路のことです。

入り口から始まり店内奥、さらにはレジや出口までお客様が通る道は途切れないようにされている店舗が良い店舗です。

なぜかというと導線=道が途中で途切れていたり先がわからなければ途中で離脱したり引き返したりと中途半端に終わってしまいます。また、回遊時間が短いと比較検討が不十分であったり、商品全てを見ていないとのことから購入率やセット率が低下する傾向にあります。

このような店舗では売上が伸びずに低迷する傾向にあるので自分が店内を歩いてみて導線が途切れず、かつ次にどこに向かえば良いのか?がわかる導線が計画してある店舗を学びましょう。

導線には什器の配置と商品の配置、誘導POPなど止まる部分と動く部分をうまく繋げることがポイントです。

POINT-9:過不足はないか?

商品の出し過ぎや逆の少なすぎ、什器や場所によっての過不足など偏りがないか?をみます。

商品をキャパシティ以上に出し過ぎの店舗は見づらく選びづらいの判断保留とされて購入にいたらないことが多く、少ない場合は売れ残りとして見えてしまい魅力が下がり入店されないなんてもことも。

自分が一番見やすく入りやすいボリュームはどの程度か?を多くの店舗で比べてみてブランドの許容範囲の中で調整するための学びとしましょう。

少なくすれば高級感が出たり、多い場合は雑多なトレジャーハント方の陳列して有効であったりとブランドによってはわざと過不足にしているところもあるのでしっかりと見極めて視察することが必要です。

POINT-10:整っているか?

上でVMDの仕上げとして整える「フェイシング」をあげていますがこのPOINT-10での整えば店舗全体全てにおいてです。

什器の向き、POPの位置、個数、照明の点灯具合、フィッティングないの備品の整理と補充などすべてにおいて整えられているか?を確認します。些細な部分ですがどれか一つが整っていないだけでも評価は「おしい店」として判断されます。

これは100点と99点の評価ではなく、「綺麗な店」「惜しい店」「普通の店」の間になるのでその差の1点は大きいです。

そのような自分が「おしい」と感じた店舗を集めて反面教師として学ぶのがわかりやすくおすすめです。

まとめ

ここまで店舗を見る際の10項目をお話ししましたが店舗VMDとして店舗全体を俯瞰し、お客様目線で見るくせが非常に重要で自店舗に長くいればいるほど最初に感じた違和感やダメな部分を見逃してしまい、なんとなく「仕方がない」や「まぁいいか」で済ませてしまいがちです。

そのようになると店舗VMDはなにも整わず「おしい」もしくは「ふつう」になってしまいます。

ふつうなら良いのでは?と思われがちですがこのオーバーストアの状態でふつうは明らかに下降線しか将来にありえません。

頭を腐らせず常にフレッシュな思考で「今のお客さはなにを感じているか?」を意識して最適なVMDを実践してくださいね。

臨機応変で優秀なVMDは引き出しが多くさまざな状況にスキルをアジャストできる人材ですのでそのスキルを増やすためにたくさんの店舗を見るように心がけていただくと良いと思います。

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