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ウツワ/Visual Merchandising
2024.2.1

VMDを勉強したい!VMDを目指したい!という人向けの基礎講座 vol,2〜VMDの基本ルールはどのようにして決まっているのか?〜

こんにちは。行動学に基づくロジックと、心理学に基づくエモーションの2軸で売れるVMDを実践するVMDディレクターのサイトウです。

前回の第一回目はVMDとはなんぞや?についてお話ししました。
詳しくはこちらをご覧ください。

第二回目となる今回は「VMDルールはなぜこうなっているか?」という普段あまり気にせずにルールだから、昔からそうなの・・・と、いった風に疑問を持たずにスルーされがちな基本のルールがどのような意味があって決まっているかをお話しします。

意味を知らずになんとなく実践するよりも、意味を理解し実践することでより精度の高いVMDが行えるようになります。

日々の業務を「こなす・ながす」のではなく意味あるものとしてしっかりとした目的意識を持って取り組むことが売上を最大化するためにも重要になってきますのでなんとなくしかわからない、しっかりとは教えてもらっていないような方はぜひこの記事で勉強をして活用してください。

目次

視線の動きとそれに合わせた基本ルール

VMDとは視覚を主として五感に訴えかけるものです。そのため、基本的な導線、レイアウト、陳列などは視線の動きに連動して計画されています。

例えば棚什器の配置は什器の正面に立ち商品を見比べる場合などは左上から「Z」の形で視線が動くので一番左上、もしくは2段目の左端が目に止まりやすいとされています。

※下図参照

Zの形に動く視線に合わせた陳列

このような形で決まっているものは他にも「ハンギングの向き」があります。

こちらも基本的には左から右に視線が流れることを前提としてカラーグラデーションなども左からスタートしています。ただし、店舗の外からの視線を優先して、逆になるパターンもあります。

それは店舗に向かって右側にあるラックは右から左になりますが、そうしないと店舗の外に向けて背面を向けてしまうからです。

このような一部例外は除いて基本的には視線を軸に決められているのが商品陳列です。

この他ではよく耳にするのが「ゴールデンスポット」ではないでしょうか?

床から130cm〜150cm程度の高さが一番目に入りやすいということで売れ筋や販売強化商品などはここに陳列されます。

行動学に合わせた基本ルール

行動学に合わせた基本ルールで一番は「導線」がわかりやすいと思います。導線とは店舗内のお客様・スタッフが通る通路のことで、この導線がスムーズでかつわかりやすい店舗がよいとされています。

この導線は視線の動きはもちろん、実際に動くための幅や長さが店内回遊の良し悪しに直結するので什器の幅などは大体の商業施設でルールがあります。そのルールとは「人がすれ違うのに十分なスペース」が元になっていて、大きく分けて3つです。

①最低限の通路幅→90cm
②余裕を持ってすれ違える幅→120cm
③車椅子、ベビーカーが旋回できる→150cm以上

この3つがあり、ほとんどの商業施設での常設店舗は②の120cmが最低限の通路幅として設定されています。ただし、SCやPOPUPなどの短期開催の場合は90cmでもOKとのところや消防署に定める避難導線として150cm以上の通路幅を確保など、都市によっても変わりますので実際の計画の際に最低限必要な通路幅は確認が必要です。

また人間工学にはなりますが、ディスプレイテーブルやラックなどの高さは手の伸ばしやすさなどを考慮して決まっています。

もちろんデザイン的にあえてその基準から外したり、ターゲットの客層によって変わることもありますが、ただ単になんとなくその高さというわけではないのです。

心理学に基づく構成

三角構成や左右対称、単品ではなく塊で人は認識するという「ゲシュタルト心理学」などに代表される「心理学」を根拠として、どのような構成がどのようなイメージを与えるかをコントロールして伝わるようにしています。

例えば三角構成であれば安定感と均整の取れた美しさ、左右対称であれば落ち着いた安定感と緊張感を与えるなどです。また、ゲシュタルト心理学では近しいもの同士がグループとして認識する近接の要因などがあり、これらを組み合わせて作り上げることが構成の基本となっているので自分の感覚だけでなんとなく構成すると意味のない自己満足なディスプレイになってしまいます。

まとめ

このようにルールや規則にはその根拠となる理由が存在しています。それらを知ることでルールを無視したり自分勝手な行動を抑制し、しっかりと根拠のあるVMDを実践することができるようになります。

また、VMDは出来上がったものを人に伝えるのが目的なので「なにを伝えたいからこのディスプレイ」というように他のスタッフにも説明が容易となるのでしっかりと覚えて実践しましょう。

誰にも伝わないVMDはただの自己満足でVMDとは呼べませんので注意が必要です。

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