VMDを勉強したい!VMDを目指したい!という人向けの基礎講座 vol,6〜フォールデッドの意味とハンギングとの違い〜
こんにちは。行動学に基づくロジックと、心理学に基づくエモーションの2軸で売れるVMDを実践するVMDディレクターのサイトウです。
前回は店舗の中で占有面積の多い「ハンギング」についてお話ししました。
前回の内容はこちら
さて、今回は前回のハンギングと対になる陳列手法である「フォールデッド」についてお伝えしていきます。
フォールデッドとかカッコつけてますが基本的には店舗では使いません。
普通に「たたみ」や「おたたみ」ですので今後は「おたたみ」で記載していきますね。
目次
おたたみの今昔
一昔前は店舗のファサード(通路に面した重要な部分)はテーブル、ローシェルフなどのおたたみで陳列する什器が多く配置してありましたが近年はテーブルでのディスプレイやショートラック+マネキン(トルソー)に置き換わっておたたみの優先順位は下がっています。
なぜかというとレディースは特に顕著ですが洋服のデザインが「広げた方がわかりやすい」ものになってきたのが大きな要因です。
一般的なブランド(デザイナーズや外資のコレクション系以外)は基本的にはシンメトリーで変形ヘムやアシンメトリーのデザイン(片ポケットなどは当然ある)が少なくおたたみでも問題なかったのですが、デザインバリエーションの増加によってたたむよりは広げた方が見栄えもデザインも良いものが増えたのが大きな要因だと考えられます。
おたたみとハンギングの違い
この見出しだと「なにを当たり前な」とツッコまれそうですがおたたみとハンギングには明確な違いがあり、それはなにかというと「静と動」です。
それが何かというと、おたたみは店舗に凛とした空気感を与え、ハンギングは動きを与えるといった意味合いで私は「静と動」と呼んでいます。
この与える印象はたたみ方や整理整頓によっても変わるので汚いイメージや乱雑なイメージがつかないように丁寧にたたむことが重要です。
きれいにたたむコツとは
ただ単純に「きれいにたたむ」といっても人によりきれいの基準が違います。
大雑把な人ならばある程度サイズが揃っていればきれいと感じたり、きっちりとした人ならばサイズはもちろんのこと柄や首の位置なども揃わないとダメ!という人もいると思います。
そんな時に基準として「きれいにたたむコツ」を把握しておけばできてるできていないでOKかNGかが判断できるようになり、人の感覚で変わらない判断基準になります。
その基準とは簡単で
①四角がきっちりと直角になっている
②洋服の中心線がまがったりずれたりしていない
③柄物などはたたんで重ねた際に柄がズレていない
④襟元の左右の幅が等しい
以上の4点です。
わかりやすく画像で説明すると
左の画像に対応する番号をふっています。
①の四角を直角は見ての通りでここをきっちりとさえることで凛とした印象が演出できます。
②の中心線は寄れたり捻れたりするときれいに見えず、かつ裁断?パターン?素材?悪くない??といったネガティブな印象も与えてしまいます。
③がちょうど良い画像なく・・・そのままで重ねた時にがらがズレていると乱雑に見えるので気をつけましょう。
④の同じくで角がきれいでも横幅が違うと②中心線がずれやすくまた歪んで見えてしまうので注意が必要です。
上記の4点をうまくたたむには・・・VMDツールとして「おたたみ台」を使っているところも多いのではないでしょうか。これは便利なのであるとサイズに関してはずれないのであとは角や中心線のズレにさえ気をつければだれでもきれいにたためます。
しかし、このおたたみ台はお金がかかるので導入していないブランドも当然あります。
の場合は横幅は「襟の端から指何本分」のように目安になるものを設定します。
また、角についてはたたむ際に「少し内側に入れる」ことと、たたんだ後に角をひっぱるなどできれいに整えることができます。
忙しい時間帯などはすべてを完璧にすることは難しいですがそれでも少し意識するだけでもかわるのでどんな時もこの4点に気をつけておたたみをしましょう。
まとめ
おたたみはハンギング以上に細かい部分に気をつけて行う必要があります。
手抜くとすぐに店舗のイメージダウンにつながるので、店舗での占有面積や優先順位が下がったとしても気を抜かずに徹底的にきれいにしていきましょう。
そうすることで店舗の「静と動」の印象がバランスよく見える素敵なお店になりますよ。