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ウツワ/Visual Merchandising
2024.2.14

VMDを勉強したい!VMDを目指したい!という人向けの基礎講座 vol,5〜ハンギングの手法とその効果を理解してブランドのイメージを作る〜

こんにちは。行動学に基づくロジックと、心理学に基づくエモーションの2軸で売れるVMDを実践するVMDディレクターのサイトウです。

前回は意外としっかり教えてくれないマネキンの着せつけ手順についてお話ししました。
前回の記事はこちらから

店舗VMDの良し悪しはこのような小さな積み上げですので何事にも手をうかずに丁寧に行なってください。

さて、5回目となる今回は店舗の占有面積で言えば7割を超える?かもしれないほど多い、「ハンギング」についてです。洗濯物からクローゼットに至るまで自宅でも行い、さらには店舗でもほとんどの陳列がハンギングという状態なのですごく慣れ親しんだ手法でありながら「ただ吊るすだけ」になり、精細さが欠けているところも多く見受けられるのも事実です。

今回はそんなハンギングの手法と効果、注意点などをお伝えしてきます。

目次

ハンギングの基本

ハンギングという手法はハンガーを使って商品をラックに陳列することですが、その基本はどのブランドも変わりません。

基本としてまず気をつけることは

①ハンガーの中心と商品の中心が揃っていること
これは簡単に言うとハンガーにかかっている商品が左右にずれていたり襟が偏ってないか?ということです。

中心線がずれているとハンギングの際にだらしなく見えてしまい、商品の魅力が正確に伝わりません。意外と見逃しがちですので常に気をつけましょう。

②ハンガーの正面は入り口に対して向ける
一応基本的には左から右に向かって流れるのが正しいのですが、そのまま店内すべての什器に当てはめると入り口に対して背を向けることになる場所がある(入り口から見て右にある什器)ので基本は入り口に対して正面となります。

ややこしいのは左から右に流れる店舗左は商品の正面と目線と右手で取った際の向きが合致しており、違和感はないのですが、右側に関しては左手で取らないとそのままの動きで商品が正面に来ません。

実際に手に取る段階では違和感がでますが、外からの視線を意識して入り口に対して正面となる方を優先します。

③ハンガーとハンガーの間の間隔は一定に
これも当たり前のことですが、陳列する場所によってハンガーの間隔は変えないことで一定の展開数量がキープされて過不足のない均一な陳列となります。

これが場所によって変更がると売れ残りや欠品のイメージなどマイナスに繋がることがあるので気をつける必要があります。

ただし、あえて少なくや多くしている場合はその限りではありません。

④ハンガーヘッドは揃える
これもあまり意識されていない店舗が多いですがハンガーの頭についているフックのハンガー本体の肩に対して水平となるように整えます。

動かしたあとや接客後などはこれが斜めになっていたりします。

それが店舗のラック全体で発生するとかなり乱れたイメージの店舗、ブランドとして認識されてしまいますので注意が必要です。

せっかくカラーなど綺麗に並べてもハンガーの向きやフックが乱れていては綺麗に見えません。

このように基本となるポイントをおさえて綺麗に見える土台を整えましょう。

ハンガー陳列の種類

ハンガー陳列にもさまざまな種類があり、その種類によって見る人に与える印象が変わります。

この印象をうまくコントロールすることで出したい雰囲気や与えたい印象をコントロールしてブランドのイメージ構築をおこないます。

また、カラーとレングスや形などに分けて2種類の手法を混ぜて陳列するのがハンガー陳列です。

まずはカラーからお伝えしますね。

①グラデーション

左から右や手前から奥へと色の並びが明→暗や淡い→濃いのように自然な色味の変化で並べることをいいます。

落ち着いた雰囲気と色の広がりを見せることができるので長いスパンのラックに向いています。

②アクセント

ラックに動きをつけたり、視線をとどめるポイントとなるように周りから良い意味で浮いた色味を配置する手法。

左の画像でいうとライトグリーンとシャーベットオレンジがカーキやネイビーなどの濃色に対しての濃淡差でアクセントになっています。

③ドミナント

左の画像の「ピンク」と「ブルー」のように短いスパンの中で集中的に配置するカラー手法をドミナントといいます。

集中的に展開することでイメージを強く打ち出します。

そのためシーズンカラーなどの露出に向いた手法なのでシーズンインのタイミングや商材切り替えのタイミングで活躍します。

④中光り

中心を明るく、左右に向かって暗くなっていく並び。

落ち着いた安定感と高級感が演出できる。

構成

①リピート構成

左の画像のようにアウター→インナー→そのインナー→ボトムを繰り返すことでラックに秩序がうまれ対比のカラーでもまとまって見え、短いスパンでもラックに動きがうまれ見やすくなります。

②アーチ

中央が短く左右が長くなるアーチ型の構成。

安定感があり、落ち着いた雰囲気に。
リピートに比べると動きは少ないがドレスや高単価商材に向いている配置。

また、このほかにも基本の基本としてスリーブアウト(ラックに向かって立つと商品を横から見る)とフェイスアウト(ラックに向かって立つと商品の正面が見える)があり、これらの組み合わせで陳列します。先ほどからお伝えしているのはスリーブアウトが軸で一部フェイスアウトでも使用可能といった感じです。

まとめ

上記のカラーと構成を組み合わせて出したい雰囲気や、商品に合わせた手法でより魅力的に見せるようにしましょう

ハンギングはフォールデッドに比べて動きのある陳列手法です。

そのため少しでも乱れていると動きそのものが乱雑に見えてテンポのイメージに影響を与える範囲が広いので気をつけて基本の整頓を行い、最適な手法で最適な訴求を行なってくださいね。

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