売り場はステージ お客様は主役 そして販売員は名脇役となれば客観的視点が手に入ります
PLAYのヨツモト リョウヘイ(@Playtopseller)です。
寝る前の時間や休みの日は本を読むことが多かったのが、最近になってアマプラで映画やドラマをよく見るようになりました。
ポールスミスの販売員として社会人になりたての頃はたまにドラマなどは見ていたのですが、元々TVや映画などは見る習慣がなく、同世代で集まった際の「懐かしのドラマ話」などには殆どついていけないほど。
30歳の時に独立起業してからは、それにより拍車がかかり、殆ど見ることなく10年ほどを過ごしてきましたがここにきて「見たい欲」がグッと出てきたのは何故なのか?
それは、自分自身が今の時代に生きていく上でもう少し付け加えたいなと思っていたのが「客観的視点」だったからです。
新人販売員時代に教えられた演じる重要性
「売り場はステージ、お客様は主役、そして販売員は名脇役となれ」
これは僕がポールスミスに勤務したての頃に先輩から頂いた言葉で、今も時折思い出します。
この言葉の意図は「店に出勤すれば新人もベテランもお客様から見れば同じポールスミスの店員である。この店舗にふさわしい立ち振る舞いや言葉使いで自信を持って名脇役を演じてください。お客様にスポットライトが当たるように。」
この言葉は、右も左もわからない新人時代の自分にもイメージがしやすく、毎日店舗に入った瞬間に「日常の自分とは違うポールスミスの販売員」を演じることができました。
言葉使いから立ち振る舞い。
ただ単に物を売る販売員としてではなく、お客様がポールスミスに期待していることを裏切らないように演じきる。
今思えば、お客様の期待以上を演じられていたとは思えませんが、それでも毎日「どんな立ち方をすれば信頼してもらえるのか」「どんな歩き方をすれば安心してもらえるのか」「会話のスピード感をどれぐらいにすれば信用してもらえるのか」「どのような名脇役を演じれば商品を買うこと以上に満足してもらえる」を考えに考え、それを売り場=ステージで実践していたのです。
僕が勤務していた頃のポールスミスは床もフローリングで、店装はヨーロッパのアンティーク調の什器で作られており、店舗自体が非日常を演じるのにも適した、本当に舞台みたいな店舗だったのも演じやすかった。
次第に演じられる場所に出勤できる楽しさを感じられるようにまでなっていったのを今でも覚えています。
自分の為に生きることがトレンドな時代だからこそ客観的視点が必要
この「演じるスキル」はポールスミスでの販売員時代に身につけ、今でもクライアントの店舗に立つ際は「お客様を主役にする名脇役」を自然に演じられるています。
演じる際に重要なのは「お客様から見て、自分自身がどう写っているのか」を自分自身で認識することです。
演技の技術をあげるだけでなく、お客様から見て期待通りになっているかどうかを客観的視点で考えて見ることが重要であって、ここまで意識できた「演じるスキル」は店頭でのお客様対応だけでなく、今の時代にも必要とされる重要なスキルでもあると感じます。
今は「好きなことを仕事に」「自分らしく」「自分のために」といったようなワードがトレンドで、自分の生き方にスポットを当てよう!という風潮がありますよね。
SNSもその1つで、自分自身を他者に見てもらうことで繋がりが発生し、関係性が生まれてきます。
このSNSをうまく使いこなしているのが、自分をうまく演じて他者からどんな見られ方をしているのか?をちゃんと意識して作っている人達だと思っています。
自分自身にスポットライトを当てるのが得意な人達は、自分が立てたシナリオの中で主人公を演じているように見えませんか?
この人達は演じるだけ(キャラ作り)が得意なのではなく、周りの人たちからどう見えるのか。
つまり客観的視点を考慮しながら、自分の見え方を作るのが得意だということですね。
店舗に勤務する販売員は、来店するお客様に対して演じるだけでなく、オンラインで繋がるお客様への対応も多くなってくることが予想されます。
「自分がどんな役を演じるのか?お客様はあなたにどんな役を期待しているのか?お客様自身がどんな主役を演じたいのか?」を店舗でだけでなく、web上での見え方も合わせて考えて見る必要がでてきている。
自分自身を客観的に見ながら、どんな役を演じるのか?
どんな見られ方をしたいのか?を考えて見てください。
店舗で演じたスキルは、今や必須となったデジタル接客にも必要とされるスキルです。
僕が映画やドラマを見だしたのも、そんな時代に対応するのに必要と思ったからですね。
ポールスミスの新人時代を思い出しながら、改めて今の自分のステージにいるお客様にスポットライトを当てれるような名脇役を演じるスキルを磨きたいと思います。