実例で学ぶ!ECデータから導き出すターゲット別接客戦略

こんにちは、PLAY inc. の四元です。
前回のブログでは「来店動機」を可視化するために、EC上の検索ワードや閲覧履歴などからお客様の“頭の中”を読み解く方法をお伝えしました。
今回はいよいよ、その読み解いた情報をもとに、 「どんなお客様に、どんな商品を、どんな言葉で提案すべきか?」 という接客戦略のつくり方を、実例ベースでご紹介します。
「売れる接客」は“仮説”から始まる
販売現場における“売れる接客”は、偶然のひらめきではありません。 そこには、顧客の行動データから読み解いた仮説が必要です。
感覚的な接客との決定的な違いは、再現性の有無です。
優れた販売員が直感的に使っていた言葉や順番も、データで分解すると“共通パターン”が見えてきます。 これが戦略化・共有化できれば、誰でもその効果を再現できるのです。
たとえば:
事例①:30代女性による「スマホ購入」が多い“ミドル丈ワンピース” → 平日の夜に閲覧数・購入率が集中。 → 仮説:仕事終わりにECをチェックするOL層/次の週末の予定に合わせた買い物 → 店舗戦略:木曜・金曜の夕方にこの商品を入り口にディスプレイ。POPには「週末映えコーデ」や「1枚で決まる!」などの言葉を。
事例②:40代男性に人気の“スニーカー”が、特定ブランドに集中 → 「通勤」「歩きやすい」「ビジネスカジュアル」などの検索ワードと関連 → 仮説:通勤服としてのスニーカーを探している層 → 店舗戦略:ビジカジ向けコーナーを新設し、素材や撥水機能を前面に出す。 スタッフトークでは「通勤でも浮かない」「雨の日も安心」などのワードを活用。
事例③:「母の日」の前に急増した“財布”カテゴリの閲覧 → 購入者の属性は20〜30代男性/女性比率も高い → 仮説:ギフトニーズが高い時期/自分用の“ご褒美買い”も → 店舗戦略:ギフト包装無料・母の日おすすめギフトのコーナー設置。POPで「迷ったらこれ!」と訴求。
事例④:「スポーツブラ」が20代女性からの検索で急増 → キーワード:「ヨガ」「産後」「ノンワイヤー」など → 仮説:体型変化やライフスタイルの変化による機能性ニーズ → 店舗戦略:フィットネス売場と一緒に展開。スタッフは着心地・サポート感を中心に接客し、フィッティングルームまでの導線も丁寧にサポート。
このように、
- “誰”が
- “いつ”
- “どこで”
- “どんな動機で” その商品を見て/買っているかを読み取ることで、 接客トークの設計や売場の配置が“戦略的”になります。
ターゲット別接客設計の型
ECデータから導き出した戦略は、「一人の販売員の勘」ではなく「店舗全体で共有できる“型”」になります。
PLAYでは、以下の3ステップで接客設計を行っています:
① 顧客タイプの設定(誰が買っているか) ② 目的/課題の仮説(なぜ買うのか) ③ 店頭アクションへの落とし込み(どう売るか)
この3ステップを共有可能なフォーマットに落とし込むことで、組織的な活用が可能になります。
実際の展開例:
- 週次の朝礼で、売れ筋商品のターゲットと接客トークを共有
- POPのコピーに仮説ターゲットが共感する言葉を入れる(「通勤でも快適」など)
- スタッフの接客ロールプレイで仮説トークの精度を高める
属人的な「販売テクニック」から脱却し、 再現性のある接客戦略をチームで運用することが目的です。
一人の販売力から、組織の販売戦略へ
属人的な「売れる人」が頑張るチームから、 「誰でも売れる」仕組みがあるチームへ。
これは、PLAYがずっと掲げてきた“販売革新”の核心です。
今回ご紹介したように、ECデータを活用すれば、 接客トークも売場構成も、「感覚」ではなく「戦略」に変わります。
大事なのは、仮説を持って接客する文化を育てること。 仮説→接客→検証→再設計のPDCAが回り始めると、 売上は確実に上がり、チームの自走力も高まります。
次回のブログでは、 この戦略設計をさらに深掘りし、 「売れるパターンをどう作り、どう共有するか」 についてお話していきます。
次回も、ぜひご覧ください!