売れるスタッフは何が違うのか?

“感覚”ではなく、データで読み解こう
こんにちは、PLAY inc. の四元です。
前回の連載では「今なぜ、リアル店舗はECデータを活用すべきなのか」について解説しました。
第2回の今回は「売れる人は何が違うのか?」をデータ解析の視点からひもといていきます。
なぜ、同じ商品を売っても「売れる人」と「売れない人」がいるのか?
現場でもよく聞くことですが、
- 同じ商品を扱っているのに売れる人が決まっている
- 接客の時間は同じなのに結果が違う
これは、「売れる人はたまたまスゴい」「勘がいいから」などで片づけてしまうと、店舗全体の成長は止まってしまいます。
そこで私たちはこう考えます。
売れる行動の「再現性」を、データで解明しよう。
データには「売れる人の行動パターン」が記録されている
たとえば、あるECでは以下のような行動が見られました。
- よく検索されているワード(例:「透けない」「着回し」「洗える」)
- カートに入るが買われない商品(=訴求が足りない?)
- 購入前に何度も閲覧されている商品(=比較検討の対象)
これらの情報を元に、売れるスタッフがどんなトークをしていたかを検証すると、こんな共通点が見つかりました
- 接客中に「検索ワードに使われていた表現」を自然に使っている
- 顧客が比較しそうな2商品をあらかじめ提示し、選択を促している
- ECで好評なレビュー内容を接客中に取り入れている
つまり、売れる人は無意識のうちに「お客様が買うまでに考えていること」を先回りして伝えているんです。
感覚的接客 vs データ起点の接客
項目 | 感覚的接客 | データ起点の接客 |
---|---|---|
接客内容 | 経験・勘に依存 | 顧客データに基づくトーク |
商品訴求 | 担当者ごとにばらつき | ニーズや検索傾向を踏まえた重点訴求 |
成果の再現性 | 売れる人に依存 | 誰でも再現可能なパターン設計 |
教育コスト | 高い(OJTが前提) | 低い(トークや売場のテンプレ化) |
店舗売上 | 個人差が大きい | 店舗全体で成果が安定 |
このように、感覚的な接客は属人化しやすく、店舗の成果が「個人の力量」に左右されがちです。
一方、データ起点の接客では、誰でも「売れる型」に沿って接客できるようになり、再現性のある成果をチームで生み出せるようになります。
店舗運営にもたらす3つのインパクト
データに基づいた接客戦略は、次のような変化をもたらします。
1. 教育の効率化
接客の「正解」が見えることで、新人教育のスピードが上がります。 「この商品はこのターゲットに、こう話す」 という指導が可能になり、OJT依存から脱却できます。
2. 再現性のある売上
売れるトーク・売れるタイミング・売れる配置が見えるようになると、売上の成果が安定します。
季節やキャンペーンに応じた「型」も蓄積しやすくなります。
3. 組織内の共有が進む
属人化していたノウハウを「誰でも使える言葉や仕組み」に翻訳することで、チーム内のコミュニケーションも活性化します。
感覚を、仕組みに。
売れる人のやり方を“勘”で終わらせるのではなく、“型”にしてチームで運用する。
これが、これからの現場マネジメントのスタンダードです。
次回は「ECにはどんなデータがあるのか?」をご紹介していきます。
お楽しみに!